「痛いを意味する韓国語」

「傷が痛い」と「良心が痛む」では同じ痛いでも、使い方が違います。「痛い」と言っても体が痛い場合と、心が痛い場合なのでは違います。日本の場合は「痛い」という言葉が代表的ですが、外国語の場合はどうなのでしょうか。英語は痛さの度合いや。痛い部位によって様々な表現がありますが、韓国語はどうなのでしょうか。体が痛いのに、間違えて心が痛いという意味の言葉を使ってしまったら大変なことになります。きちんと相手に自分の痛いを伝えられるように、韓国語で痛いを意味する言葉を学びましょう。

肉体的に痛いを表す言葉

아프다(アプダ)

「痛い」という意味です。使い方は日本語の痛いとほとんど同じで、体の部位+아프다という形で使います。ちなみに主要な体の部位は以下のとおりです。
「頭」머리(モリ)、「目」눈(ヌン)、「くび」목(モクッ)、「肩」어깨(オッケ)、「腕」팔(パル)、「胃、おなか」배(ペ)、「腰」허리(ホリ)、「足」발(パル)
아프다(アプダ)はこのままでも意味は通じますが、会話や文章の場合には아프다を活用させて、丁寧語の現在形である아파요(アパヨ)、 過去形の아팠어요(アッパソヨ)を使う方がよりいいでしょう。
1つ注意しなければいけないのは、아프다は「特にどこか痛い訳ではないけど体調が悪い」、「調子が悪い」など「痛い」以外の意味で使う時があります。
ですので、아프다を使っていたからと言って必ずしもどこか痛い訳ではない場合があるのです。ただし、「痛い」も「体調が悪い」もどちらにしろ、どこか不調であることには間違いありませんので、そこまで神経質になる必要はありません。

(使用例)
배가 아프다.(ペガ アプダ)お腹が痛い
머리가 아팠어요.(モリガ アパッソ)頭が痛かった
팔이 아파요.(パリ アパヨ)足が痛いです


心情的に痛いを表す言葉
가슴이 아프다(カスミ アプダ)
아프다(アプダ)の前に心を意味する마음(マウム)や胸を意味する가슴(カスム)もつけることで心情的に痛いと言う意味となります。「心が痛い」など日本語の表現にもあり、使い方がよく似ています。
가슴이 아프다(カスミ アプダ)「胸が痛い」は歌の歌詞でも良く使われるので、耳にした事がある人も多いと思います。
ただ가슴이 아프다(カスミ アプダ)は肉体的に胸が痛い場合も使用します。ただ、ほとんどの場合は、心が痛いと言う心情的な意味です。

(使用例)
마음이 아팠어요(マウミ アパッソヨ)「心が痛かった」
내 가슴이 아프다(ネ カスミ アプダ)「私の胸が痛い」
사랑이 아프다(サランイ アプダ)「愛が痛い⇒愛が辛い」K-POPの歌詞でよく出てくる表現です。

痛いの強弱を表す言葉
아주(アジュ)、너무(ノム)、많이(マニ)
아주(アジュ)、너무(ノム)は「とても」「あまりにも」という意味です。많이(マニ)は「たくさん」という意味です。ものすごく痛い時に아프다(アプダ)につけて痛さの強さ表現します。
ちなみに아주(アジュ)と너무(ノム)、많이(マニ)は痛さの違いはほとんどありませんので、どちらを使っても大丈夫です。
また、更に痛さを強調したい場合には、아주아주(アジュアジュ)や너무너무(ノムノム)、많이많이(マニマニ)と繰り返します。

(使用例)
머리가 아주 아프다(モリガ アジュ アプダ)「頭がとても痛い」
배가 많이 아팠어요.(ペガ マニ アパッソヨ)「胃がとても痛かった」
가슴이 너무너무 아파요. (カスミ ノムノム アパヨ)「心がとっても痛い」

조금(チョグム)
「少し」とか「わずか」と言う意味。「ちくり」とした時もこの言葉を使います。これも아프다(アプダ)につけて使うことで、痛さの弱さを表します。

(使用例)
조금 아프다(チョグン アプダ)「ちょっと痛い」
이가 조금 아프다(イガ チョグン アプダ)「歯がちくりと痛い」
가슴이 조금 아파요(カスミ チョグン アパヨ)「胸がちくりと痛いです」


진짜(チンチャ)、 정말(チョンマル)
「本当に」という意味の言葉です。日本語では「本当に痛い」ってあまり使わない表現だと思いますが、韓国語では良く使います。日本語で言うと「超痛い」ってニュアンスです。更に強調するために너무(ノム)、많이(マニ)をつけて、使う場合もあります。

(使用例)
정말 가슴이 아빠요.(チョンマル カスミ アッパヨ)「本当に心が痛い」
배가 진짜 너무 아빴어요.(ペガ チンチャ ノム アパッソヨ)「お腹が本当にとても痛かったです」
몸이 진짜 많이 아빠요.(モミ チンチャ マニ アパヨ)「体が本当にとても痛いです」

痛いと似ている言葉
힘들다(ヒンドゥルダ)
「つらい」「しんどい」という意味です。日本語では「つらい」という意味で訳されることがほとんどですが、「痛い」という意味の아프다(アプダ)に「体調が悪い」や「しんどい」と言った意味があることから、아프다(アプダ)と同じように使われることもしばしばあります。実際には辛くて痛いというニュアンスです。肉体的にも心情的にもどちらにも使用することができます。

(使用例)
가슴이 힘들다(カスミ ヒンドゥルダ)「胸が辛い」
몸이 너무 힘들다(モミ ノム ヒンドゥルダ)「体がとてもしんどい」
진짜 마음이 힘들다(チンチャ マウミ ヒンドゥルダ)「本当に心がつらい」

「痛い」を使った表現の紹介
귀가 아프다(クィガ アプダ)
直訳すると「耳が痛い」という意味。純粋に耳が痛いという意味がありますが、日本語の「耳が痛い」と同様に、他人の言葉が自分の弱点を指していて聞くのがつらいことを意味します。少し上級な韓国語の様な気がしますが、単語的には難しい言葉ではないので使いやすいです。

(使用例)
선생님의 주의는 귀가 아프다(ソンセンニンメ チュイヌン クィガ アプダ)
「先生の注意は耳が痛い」
이미 귀 아프게 들은 말이다(イミ クィ アプゲ トゥルン マリダ)
「すでに耳が痛くなるくらい聞いた話だ」


혼이 나다.(ホニ ナダ)
直訳すると「魂が起こる」となります。日本語の「痛い目にあう」という意味の言葉。
日本語では「痛い」を使いますが、韓国では「痛い」を意味する単語を使いません。日本語と韓国語は似ている表現が多いのですが、直訳すると通じない場合がありますので注意です。

(使用例)
어제는 혼이 났다.「昨日、痛い目にあった」
버스에서 혼이 났다.「バスで痛い目にあった」
저음부터 혼이 나다「最初から痛い目にあう」

まとめ
「痛い」を意味する韓国語をご紹介しましたが、아프다(アプダ)さえ覚えてしまえばいいので簡単ではないでしょうか。しかも、肉体的にも心情的にも同じ「痛い」아프다(アプダ)を使うことができる点では、「痛い」を意味する言葉が多様にある英語よりは使いやすいと思います。また、慣用句なども日本語と同じ意味の物が多いので、覚えやすいと思います。
しかし実は、韓国語は「痛い」と言っても、「ひりひり痛い」や「ちくりと痛い」など痛みの状態によって아프다(アプダ)以外の単語を使う場合もあります。その使い分けは、なかなか難しいため、外国人である私たちは아프다(アプダ)を使用するのがいいでしょう。
K-POPの歌詞にも「痛い」を意味する言葉は出てきます。아프다(アプダ)が歌詞に出てきたら悲しい曲なんだと思って、聞いて見るとより深く歌を楽しむことができると思います。