日本でも韓国でも大人気なアイドルグループ「少女時代」の大ヒット曲Geeの歌詞にある、「몰라 몰라 몰라 몰라(モルラ モルラ モルラ モルラ)」と言うフレーズに、「韓国語ってなんて可愛いんだろう!」と、心を奪われた人も多いと思います。
この몰라(モルラ)は、「わからない」という意味ですが、他にも韓国語には「わからない」という意味を表す言葉がたくさんあります。
この記事では、「分からない」を意味する韓国語について、具体的な例文も交えながら詳しくお伝えします。
可愛い「몰라(モルラ)」もマスターしつつ、他の表現もまとめてばっちり覚えてしまいましょう。
一番よく使われる「わかりません」
잘 모르겠어요(チャル モルゲッソヨ)
日本語だと「わからない」は、「わかる」の否定形の言葉ですが、韓国語では異なり、独立した全く別の単語があります。
いくつかある「わからない」を表す言葉の中でも、一番よく使うのがこの、잘 모르겠어요(チャル モルゲッソヨ)です。
모르다(モルダ)が原形なのすが、柔らかい印象にするために「よく」を表す잘(チャル)を頭につけ、語尾には겠(ゲッ)をつけることで、韓国人にとって耳触りの良い自然な表現にしています。
겠(ゲッ)は、多くが未来系として使われますが、この場合は異なります。
このフレーズは主に、何かをする方法や、問題の解答、理由を尋ねられた時に使うことが一般的です。
잘 모르엤어요(チャル モルゲッソヨ)自体すでに丁寧な言葉なので、目上の人と話すときも使って構いませんが、さらに丁寧にかしこまった表現として使いたい時には、잘 모르스겠습니다(チャルモルゲッスムニダ)と言うことも出来ます。
“죄송해요. 잘 모르겠어요.(チェソンヘヨ チャル モルゲッソヨ)”
すみません、よくわかりません“저도 잘 모르겠습니다.(チョド チャルモルゲッスムニダ)”
私もよくわかりません“이 문제 나도 잘 모르겠어. 미안해.(イ ムンジェ ナド モルゲッソ ミアネ)”
この問題、僕も分からない。ごめんね
答えを曖昧にしたいときの表現
잘 모르겠는데요(チャル モルゲンヌンデヨ…)
日本語では何かを聞かれて「よく分からないのですが…」と曖昧な返事をすることがありますが、それは韓国語でも同じです。
「よく分かりません」と言い切らず、失礼な印象を与えたくないときはこちらの表現を使うといいでしょう。
文法としては、잘 모르겠어요(チャル モルゲッソヨ)の語尾が、는데요(ヌンデヨ)になっていますが、これは動詞の原型に는데요(ヌンデヨ)を付けることで、「〜ですが…」や「〜ですけど…」という意味にすることができます。
요(ヨ)をとって、잘 모르겠는데(チャル モルゲッヌンデ)と言えば、「よく分からないけど」という、丁寧語ではないフランクな言い方になります。
“이유는 잘 모르겠는데요…(イユヌン チャルモルゲンヌンデヨ)”
理由はよくわからないのですが…“얼마인지 잘 모르겠는데요…(オルマインジ チャルモルゲンヌンデヨ)”
値段がいくらか、よくわからないのですが…“왜 싫어하는지 잘 모르겠는데…(ウェ シロハヌンジ チャルモルゲンヌンデ)”
なぜ嫌なのかよくわからないんだけど…
言い方次第でニュアンスが変わる「わかりません」
몰라요(モルラヨ)
모르다(モルダ)を、요(ヨ)体にした形です。発音するときのポイントとしては、「モルラヨ」の「ル」をはっきり発音するのではなく、前後の「モ」と「ラ」を英語の「L」を挟むような感じで発音することです。
この言葉は、잘 모르겠어요(チャルモルゲッソヨ)と比べると、言い方に少し注意が必要になります。棒読みで言うと、ぶっきらぼうで冷たく、失礼な印象になってしまうからです。
日本語でも、「わかんない」や「知らない」のような短い言葉でマイナスのことを言われると、言われた人が少し冷たい印象に感じてしまうのと同じです。
もちろん、会話の中で使うことも出来ますので、申し訳なさそうな表情をしたり、控えめに発言したりすれば、悪い印象を与えずに済みます。
また、タメ口言葉にした몰라(モルラ)も同様です。
丁寧な言葉にする為の요(ヨ)をとった言葉なので、フランクに「わかんない」や「知らない」という意味で使いますが、仲の良い友達に対しても、몰라(モルラ)だけ使うと、言い方一つで愛想のない冷たい返事になってしまいます。
この場合は、前に「私」を表す나(ナ)をつけて、나 몰라(ナ モルラ)や、난 몰라(ナン モルラ)と言うことで、だいぶ柔らかい印象になります。
また、少女時代のGeeの中の歌詞のように、몰라몰라(モルラモルラ)と続けて言うことで愛嬌のある感じにしたり、優しい言い方をしたりすれば、全く問題ありません。
もちろん、身に覚えのない悪い噂をされていた時など、本当に冷たく「分かりません!」「わかんないよ!」と言いたい時には、冷たく言いきれば効果は大です。
さらに、過去形の「わかりませんでした」や「知りませんでした」は、몰랐어요(モルラッソヨ)や、몰랐어(モルラッソ)と言います。意味合いや使い方も日本語と同じです。
“저는 어떻게 할줄 몰라요(チョヌン オットケ ハルチュル モルラヨ)”
私は、どうするのか分かりません“그런 이야기 몰랐어요(クロン イヤギ モルラッソヨ)”
そのような話、知りませんでした“아니 난 몰라〜!(アニ ナン モルラ~)”
いや、あたし知らない〜!
「信じられない」という意味で使う「わかりません」
이해하지 못하다(イヘハジ モッタダ)
이해하다(イヘハダ)は「理解する」という意味で、動詞の語尾を「~지 못하다(チ モッタダ)」とすることで、「~が出来ない」と言う意味になります。
直訳すると「理解が出来ない」となります。
やり方など何かの方法が「わからない」というよりは、目の前で起った事象や聞いたことが「信じられない」という意味合いで使います。
“왜 제가 서울으로 가야하는지이해하지 못해요.(ウェ チェガ ソウルロ カヤハヌンジ イヘハジモッテヨ)”
なぜ私がソウルに行かなくてはいけないのか、分かりません“왜 여자친구가 화를 내는지 이해하지 못해요(ウェ ヨジャチングガ ファル ネヌンジ イヘハジモッテヨ)”
どうして彼女が怒るのか、わかりません“그녀를 좋아한다고?이해하지 못해!(クニョルル チョアハンダゴ.イヘハジモッテ)”
彼女が好きだって?わからないよ!(理解できないよ!)
「分かる訳がない」という意味で使う「わかりません」
내가 어떻게 알아?(ネガ オットケ アラ?)
直訳すると、내(ネ)は「私」を、가(ガ)は助詞の「が、」を、 어떻게(オットケ)は「どうやって」を、 알아(アラ)は「分かる」を意味し、「私がどうして分かる」という言葉になります。
ここでポイントになるのは、これを疑問形にしていることです。
自分が分かるはずもないことや、知るはずもない情報について「わかる?知ってる?」と聞かれた時に、「私がどうして分かるだろう?」という意味を込めて答える言い方です。
日本語でのニュアンス的には、「私が分かるとでも思った訳?」などの表現にあたり、怒りの感情がこもるケースが多いといえます。
“어?내가 어떻게 알아?(オ.ネガ オットケアラ)”
はぁ?私がどうしたら分かる訳?(わかんない!)
まとめ
日本語でも韓国語でもマイナスな答えとなる「わかりません」を使う時には、基本的には申し訳ないという気持ちを込めることが大切です。
話し方に注意する表現もある一方で、몰라(モルラ)のようにかわいく聞こえる言葉もありますので、ドラマや歌詞などで研究してみると面白いかもしれません。